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連合大阪「平和学習会」を受けて

2014年7月31日
大阪南地域協議会 副議長 牟田 和広

 2014年7月18日(金)18:30から、連合大阪主催の平和行動 学習会が開催されました。連合として重視し、長年続けている広島・長崎での平和行動への参画事業の一環として行われたものです。私は、どちらの平和行動へも参加を予定していませんが、たまたま受けてみようと思って、学習会に参加しました。

 連合大阪の久保さんが司会を務められ、はじめに連帯活動委員会の川北委員長より主催者を代表して挨拶がありました。

大阪女学院大学 黒澤 教授

大阪女学院大学
黒澤 教授

 第一部として、大阪女学院大学の教授である黒澤 満(くろさわ みつる)様から「世界の核兵器の現状と廃絶への取り組み」と題した講演がありました。米ソ冷戦時代をピークとして、着実に減ってきているものだと、漠然と考えていた核兵器ですが、その総数は1万6千発を超え、未だに全人類を幾度も死滅させるに充分な数であると聞き、正直驚きました。特に、二大核兵器保有国においては、30分以内に発射可能な核兵器が、アメリカ:1,920発、ロシア:1,600発もあるとのことでした。

 黒澤教授は、これまでの核軍縮を継承しながらも、新しいアプローチを提言し、廃絶に向けた具体的なビジョンを示してくれました。特に私が気になったのは、喫緊の課題としての「核兵器の警戒態勢解除」についてでした。上記で示した、即発射可能な核兵器をゼロにすることで、人為的ミスやシステムエラーによる誤射を防ぎ、核兵器の脅威を低減させる有効な手段です。しかし、その為には「核の傘」、つまり「核兵器が戦争の抑止力として有効である」という考え方を見直さなければなりません。この点についても黒澤教授は、「核兵器が抑止力として機能した事実はない。アメリカによる様々な戦闘行為も、保有する核兵器によって回避されたことはない。」と指摘されました。現に、アメリカ大統領であるオバマ氏は、立候補した時から核軍縮を提唱しており、今も大統領としてその目標を掲げているとのことでした。

 そんな中、アメリカの核軍縮を阻んでいるのは日本だという驚くべき話がありました。日本の政府・高官が、アメリカの「核の傘」に守られているという古い意識を強く持っているため、アメリカの野党議員が「日本のためにも核兵器は必要だ」と利用し、核軍縮を阻んでいると言うのです。また、民主党政権下では岡田外相と協力し、「核の傘」に対する意識を変えようと試みられていたとの事でした。私達は、メディアによる扇動であると知りながらも、民主党による政権運営の失敗から、ダメな政党だというレッテルを貼ってきましたが、少なくとも政権交代に意義はあったのだと認識を新たにしました。核軍縮、核兵器廃絶のために、私達ができることは、志のある人を選び、選挙権を行使することにあると改めて理解しました。

 核兵器の脅威を改めて理解すると共に、自分達の現状を認識し、未来を考える良いきっかけになったと思います。

広島県原爆被害者団体協議会 理事長 坪井 直さん

広島県原爆被害者団体協議会
理事長 坪井 直さん

 第二部は、広島県原爆被害者団体協議会理事長の坪井 直(つぼい すなお)様から「被爆体験から」と題して、ご自信の被爆体験談をお話いただきました。

 こちらは、第一部の講演と違って、文書にはし難いものでした。広島原爆の1km圏内で、当時二十歳で被爆されたご本人が、目の前で語られる体験談は、すさまじい臨場感と、圧倒的な現実感を持っており、気の弱い方には眠れなくなる程のインパクトを与えたのではないかと思います。しかし、そのどれもが事実である以上、やはり世界で唯一の原爆被害国である日本の存在は、とても大きなものであると知らされました。

 「最近、日本で起きている陰惨な事件には本当に腹が立つ。人の命を奪うという事において、テロも戦争も原爆も同じだ。バカヤローと言ってやりたい。」きっと、その場にいなければ伝わらない、本当の意味での言葉の重さが、そこにはありました。

 御年八十九歳の坪井様が、被爆による様々な身体の不調を背負いながら、今も原爆と闘い続けているその姿には、感動を覚えると共に、心から尊敬します。

 来年、戦後70年を迎える我が国日本。ともすれば形骸化しかねない広島・長崎をはじめとする平和行動。しかし、今こそ日本が成すべき事、日本だからできることを再び見つめ直し、日本国民として世界平和に対して、その責任を果たしていかなければならないと、改めて認識させられる学習会でした。