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時限付きのレモン爆弾(再生か自滅か)

泉州地区 金子議長

泉州地区 金子議長

  

 「えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた」

 梶井基次郎の小説「檸檬」の書き出しである。

 丸善の本棚に黄金色に輝く紡錘形のレモン爆弾を仕掛け、丸善が木端みじんになるのを愉快に想像したのが、梶井基次郎という一個の鬱屈した精神であったが、時を超え、現代の労働運動、組合活動に携わるトップリーダー、幹部の深層心理に沈殿する現状の日本型労働運動への漠とした不安と焦燥と閉塞感は、組合組織率20%を割ると予期された2001年を境に白い便箋にインクを落としたように徐々に浸透・拡散し、現在も進行形にある。

 この呪縛のような時限爆弾から解放される唯一の手段としては、本来的に労働組合が本質として内包するアナーキーな精神に依る所の、徹底した社会の不公正や不条理に対する異議申し立てと、弱者の視点に立った働く者への共感と友愛と連帯の不屈の思想である。

 具体的な方法は割愛するが、単組も産別も連合も労働組合の存亡をかけた21世紀であることと、大きな分岐点に立っていることを自覚しなければ未来はありえない。

(2009年5月22日、泉州地区協議会 議長 金子 豊光)