HOMEコラム〜KIZUNA > 記事

だんじり祭りと自然

お祭りイメージ写真

 秋の実りの稲穂が頭を垂れている風景を眺めつつ見物に行った泉州各地区の祭礼も終わり、肌の寒さとともに心の寒さも感じる今日この頃です。だんじり好きな私にとって一年で一番寂しさを感じる時期でもあり、多忙な日々に追い立てられ、悪戦苦闘の毎日?を過ごしている今日この頃でもあります。

 改めまして、大阪南地域協議会で副議長の任にあたっています貝塚市労連の西本です。私は、祭りが好きで、だんじりが好きで、50年間休むことなく地元のだんじり祭りに参加してきた一人です。今回は私なりに考え、近年第3期地車ブームと言われるだんじり祭りに焦点を当てエコを考えてみました。

西本副議長が地車工務店に通って制作した貝塚市労連の看板

西本副議長が地車工務店に通って
制作した貝塚市労連の看板

 縁ありまして某地車工務店に出入りし始めて35年になりますが、その中で昨今の祭り事情と祭りにかかわるエコをいろいろと考えてみました。長年の付き合いで、大工さん方はじめ彫師さん方の仕事の大変さ、危険さ、そして素晴らしい技術の発見があったと同時に、施主町さんの注文の多さも感じました。また一方、昔の大工さんはこれ以上に労力を使って仕事をされていたという尊敬も痛感した次第です。

 昨今の自然破壊で、だんじり新調に必要とする樹齢1000年前後の欅や毎年使用するコマ(車輪)などの木々の減少と言う悩ましい問題があります。コマは材質が国内の松材を使いますが、昔の作業は原木を手で挽いて切り、円を描く、それに沿って割り、ヨキや手斧を使って形づくりさらに鉋をかけて仕上げるのです。その労力たるや大変なもので、かつては物を作る職人さんが多く、その労力を知っている祭り参加者が多いからコマの数も最小限度に抑えて使ったものでした。

 このコマの直径が二尺前後約60cm。これだけのものを採るにはこれ以上の木がいるわけで、昨今のだんじり祭りブームで年間使われるのが約2000個だとされています。一本で10個、少なければ1、2個の場合もある。10個と考えると200本。まずそれ以上の松の木が姿を消している。このだんじり祭り盛んなりし10年の間に2000本以上の樹齢200~300年の松が1~2年使って捨てられており、その証拠に最近の木の市場に松が出にくくなったと言われています。

 一年に2000個のコマを2ヶ月ほどで機械で丸くできる機械生産時代であり、昔よりも容易にコマができる。そこには祭ができる喜びと感謝の気持ちが湧いてこないような気がします。そうすると「そんな祭やめてしまえ」の声も出てくる。しかし、祭り、地車好きの私たちにとっては「それはできん、後世いつまでもこの地車祭りが続いて欲しい」の願いがあるのです。そこで浅はかな考えではあるが、コマを4つ使用している町は2つに、6つの町は4つにと減らせないか?とか、一年ごとに300本ほどの松の苗木の植林のお返しができんかな?とか色々と考えさせられました。そうしなければ祭りができんようになるかもしれませんし…。

 近年盛大さがエスカレートしてきた祭りを見直し、それぞれの地域の文化財であるだんじりを大切にし、祭りを大切に物を大切にし、今年も祭りのできた歓びと感謝と、そして次の世代のことも考え、未来永劫に祭りが存続できるように、かかわる人(少子化で若い世代が減少)を大切にしていかなければと考えさせられる今日この頃です。

(2009年11月30日、連合大阪大阪南地域協議会 副議長 西本 仁志)