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ちょっといい話(チベットの歌手、バイマーヤンジンさん)

 素晴らしいテレビ番組に出会いました。

 たまたま目がさめて時間を確認するためにテレビを付けたところ、「テレビ寺子屋」という番組をやっていたのです。(関西テレビの日曜、午前5時30分~6時放送)

 この日の講師は日本で唯一のチベット人女性歌手、バイマーヤンジンさんでした。ユーモアたっぷりの語り口で、チベットと日本の文化の違いや家族のあり方などを熱く語っておられたので、眠い目を擦りながらもついテレビに見入ってしまいました。

 チベットはほとんどの家族が過酷な環境の中で遊牧しながら移動生活をするという暮らしを強いられているそうで、どんな時でも家族全員で助け合わないと生きていけないということです。そんな中でバイマーヤンジンさんはそれこそ本人も家族も血の出るような努力を重ねて、高校、大学へと進学を果たされたそうです。四川音楽大学では蛮子(移民の子)といじめられながらも優秀な成績で卒業されたと言うことですが、その苦学生の頃に同じ大学に通う大阪出身の日本人男性と知り合って結婚されたということです。

 その後、家族関係、食生活、習慣などすべてがチベットとは違う日本での生活が始まり、最初は見るもの聞くもの触るものすべてが、まるで魔法の国にでも来たかのような驚きの連続だったようです。水は遠くまで汲みに行かなくても蛇口をひねるといくらでも出てくるし、槇を拾いに行かなくてもスイッチ1つで火をつけて料理ができ、ボタンを押すだけでご飯を炊く事ができる。それはそれは夢のような国に嫁いできたと大いに喜んだということです。

 ただ、夫の大祖母や祖母、舅、姑と暮らしていろんな話を聞いているうちに、段々とわかって来たことは昔は日本も家族をもっと大切にし、食べ物も粗末にしなかった、山河など自然を愛するやさしい国民であったはずなのに、いつしか便利になりすぎて物を大切にしない使い捨ての生活が主流になって、豊かな心を忘れかけてしまっているのではないかとバイマーヤンジンさんは感じるようになったのだそうです。

 「日本の童歌」は少し昔に置き去りにしてきた大切な暮らしや言葉を思い出させてくれますし、日本人の心としていつまでも歌い継がれていかなければならない宝物だとチベット人の歌手バイマーヤンジンさんは私たち日本人に教えてくれていました。

事務局長 宮田浩二

 講演の最後に日本伝統文化の童歌を歌ってくれましたが、「母さんが夜なべをして~手袋編んでくれた♪」・・・バイマーヤンジンさんのその美しい歌声に鳥肌がたちばっちりと目が覚め、その日は一日豊かな気持ちで過ごせました。早起きは三文の徳!ほんとうに素晴らしい番組と講師に出会えたことに感謝します。

(2012年4月11日 大阪南地域協議会 事務局長 宮田浩二)