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大阪市地域労働者福祉協議会15周年記念事業
「東北視察研修」を実施!!

  • 日時:2014年11月21日(金)~22日(土)
  • 場所:宮城県石巻市
  • 参加者:16名

 2011年3月11日、午後2時46分、宮城県三陸沖で発生した東日本大震災は、東北3県(福島県・宮城県・岩手県)を中心に被害が拡大し、地震直後に発生した津波は、さらにその被害を大きくし、想像を絶する甚大な被害をもたらしました。それから三年半余りが経過した2014年11月21日、私たちは、大阪市地域労働者福祉協議会の結成15周年事業の一環として、被災地の一部を訪れることが出来ました。

 最初に訪問した施設は、「石巻レインボーハウス」=あしなが育英会が運営する東日本大震災により親を亡くされた遺児を支援する施設。阪神淡路大震災の時も神戸市に建設された経過があり、今回の大震災では、仙台市、石巻市、陸前高田市に建設されました。

石巻レインボーハウス
石巻レインボーハウス
石巻レインボーハウス

石巻レインボーハウス

 今回訪問のきっかけは、当協議会の会員事業団体でもある近畿労働金庫が取り組んでおられる「サポートV」の活動報告を参考に、周年事業として意義ある事業を行うこととして、検討してきた内容です。そして、あしなが育英会が取り組んでおられる「東日本大震災遺児育支援募金」を連合大阪加盟の労組・支部へ呼び掛けたもので、労組・支部、組合員一人ひとりの志が50万円近く集まることとなりました。最終的には、大阪市労連や大阪市地域労働者福祉協議会の協力により、総額は、873,000円となりました。短期間での呼びかけにも関わらず、ご協力頂きました皆様方に、心よりお礼申し上げます。

あしなが育英会 若宮課長へ目録の贈呈

あしなが育英会
若宮課長へ目録の贈呈

あしなが育英会 お礼状

あしなが育英会 お礼状

おしゃべりの部屋

 「石巻レインボーハウス」は、本年4月から稼働してまだ半年余りということもあり、施設を利用する子供たちも宿泊利用することは出来ないようで、週末など日帰り利用されているとのことでした。また、おしゃべりの部屋(談話室)には沢山のぬいぐるみがありましたが、「子供たちがそれを抱きながら、震災の恐怖で閉ざされた心を段々とひらき、話しかけてくれるようになる」との話を聞き、熱いものがこみ上げてくるのがわかりました。施設では、大きめのぬいぐるみを募集しているとのことで、これからも支援を続けて行けたらと思います。館内を説明して頂きました若宮課長さん、スタッフの佐藤さん、大変お世話になり、ありがとうございました。

 次に、石巻地方労働者福祉協議会、連合宮城・石巻地域協議会の事務所を併設しており、今回、石巻市の保育所支援の関係で福祉部を訪問させて頂くこととなり、そのお世話をして頂いた石巻地方労働者福祉協議会の事務所を表敬訪問させて頂きました。

 そして、事務局長の大黒さんに同行頂き、石巻市役所へ。

 石巻市役所では、自治労石巻市職員労働組合の小野寺書記長の案内で、福祉部を訪問し、遅れている保育所の設備改修に役立てて頂く資金として、大阪市労連や大阪市地域労働者福祉協議会のカンパ金から300,000円を寄付させて頂きました。

 続いて、小野寺書記長の案内で、石巻市内の被害状況や復興状況について視察させて頂きました。石巻の海岸線が一望できる日和山公園では、震災前のパネル写真と比較しながら、旧北上川沿いに津波が襲った説明を聞き、改めて津波の恐ろしさを実感しました。また、かさ上げ工事が進められている地域の道路沿いにポツンとあった「がんばろう!石巻」「復興するぞ」の看板と石碑は、地元の人たちの力強い心意気を感じました。

 そして次に訪れた「石巻ニューゼ」においては、震災直後から発行された手書きによる「かべ新聞(実物)」が展示されており、津波によって情報が遮断された状況の中で、石巻市の震災直後の被災状況が生々しく報じられていたのが印象的でした。

石巻市福祉部 庄司次長へ目録の贈呈

石巻市福祉部 庄司次長へ
目録の贈呈

日和山公園より見た津波被害を受けた河口付近

日和山公園より見た
津波被害を受けた河口付近

がんばろう石巻

がんばろう石巻

 女川町で一泊した翌日は、女川町観光協会の阿部さんの案内で、先ず「復興まちづくり情報交流館」を訪れ、震災の爪痕や復興への力強い取り組み状況などについてビデオも交えた説明を受け、地元の子どもたちの活力が親たちの復興へのエネルギー源になっていることを痛感しました。特に、大きな被害を受けた地元の中学生たちが「1000年後の命を守るために」と展開している「いのちの石碑プロジェクト」の取り組みをはじめ、新しいまちづくりが住民の団結力を高め、町おこしが住民の手によって進められようとしている様子が、手に取るように分かりました。

復興まちづくり情報交流館での説明
復興まちづくり情報交流館での説明

復興まちづくり情報交流館での説明

 女川町は、震災発生から2か月後の5月には復興計画策定委員会が設置され、9月には「とりもどそう 笑顔あふれる女川町」を基本目標とする女川町復興計画が策定され、2018年度(平成30年度)までの8年間で復興計画を完了させることとしており、現在は基盤整備期間にあります。

 途中案内された女川漁港付近では、津波により横倒しになったビルが残されているのがとても印象的でした。

 また、地元の商店が集まる「きぼうのかね商店街」では、スペインタイルのお店に立ち寄り、大阪市地域労働者福祉協議会のプレート作成を依頼させて頂きました。

出来上がったスペインタイル

出来上がったスペインタイル

 今回案内頂いた阿部さんからは、昨年の夏、大阪府茨木市のイベントに招待され、サンマやホタテを焼いて販売した経験をお話し頂き、とても親近感のある感じを受けました。女川町の復興まちづくりが、計画どおりに進みますよう祈念致しますとともに、阿部さんと再会できることを楽しみにしておきたいと思います。ご案内ありがとうございました。

 私たち大阪市地域労働者福祉協議会は、結成15周年を機に取り組んだ記念事業を通じて、まだまだ震災の爪痕が残る宮城県石巻市、そして女川町を訪れ、復興に向けてがんばる地元の人たちとのふれあいを通して、大変だけれども希望をもって日々生活していくことの大切さを教えてもらったような気がします。5年後、それぞれのまちの復興を確かめるために、結成20周年記念事業で、また訪れることが出来たら・・・と思います。

 なお、皆様からの募金を届けさせて頂いた内容は、次のとおりです。

 ♦あしなが東日本大震災遺児育英募金・・・・・573,000円

 ♦石巻市福祉部・・・・・・・・・・・・・・・300,000円

道路をここまでかさ上げする

道路をここまでかさ上げする

更地になった住宅街

更地になった住宅街

横倒しのビル(右側が底部分)

横倒しのビル(右側が底部分)

きぼうの鐘

きぼうの鐘

震災直後

震災直後

震災当時

震災当時

被災した役場庁舎

被災した役場庁舎

女川町中心市街地

女川町中心市街地

新しい女川町のイメージ図

新しい女川町のイメージ図