大阪市地域協議会は、今年の環境活動として10月20日・土曜日、雲ひとつない秋晴れのもと、大阪南港野鳥園において市内に残された貴重な渡り鳥の飛来地である干潟の清掃活動に取り組みました。
南港地区は、1958年から埋め立て事業が始まり、当時、出現した干潟状の湿地にシギ・チドリ類などの渡り鳥が集まってきたことから、1969年に干潟を含む野鳥公園の設置を求める市民活動が展開され、当時の大阪市長が公約して1978年からの環境整備事業によって、日本で最初の人口干潟である「大阪南港野鳥園」が1983年に開園しました。その後、干潟区域が拡張され渡り鳥の飛来数も大幅に増加、現在では、市民の憩いの場として年間10万人以上の方々が来園されています。(野鳥園パンフレットより)
また、2001年には人工の湿地でありながら、環境省の「日本の重要湿地500」に選定されており、東アジア・オーストラリア地域の「重要生息地ネットワーク」にも登録されています。
そもそも、私たちが今年の環境活動で野鳥園の干潟清掃活動を取り組むこととなったきっかけは、春先に開催した地域協議会連帯活動委員会の中で、情報労連の取り組みとして問題提起を受け、「干潟の湿地帯と大阪湾が防波堤の導水管によって繋がっており、台風や暴風雨によって川から大阪湾に流れ出たゴミが湿地帯に入り込み、干潟に溜まり、その清掃活動に人手がいる」とのことで、春は情報労連が取り組み、秋は大阪市地域協議会でやってみようということになりました。
今週はじめの台風21号の進路によっては、開催が危ぶまれましたが、快晴のもと、午前10時過ぎから参加者が集まりだし、10時半から予定どおり開会式を行いました。
開会式では、須川議長、杉本実行委員会委員長から挨拶を受けた後、南港野鳥園の石井園長から野鳥園の概要や環境保護活動の意義、また、大阪市の市政改革プランによって、施設への補助金がカットされようとしている厳しい状況に対して、存続を求めるネットワーク活動が行われていることなどが紹介されました。そして、行動説明と諸注意を確認し、子ども達を含む参加者全員で清掃活動を開始しました。
広大な干潟の水際でゴミを集める作業には人海戦術が一番ですが、参加者120名程度の人数では野鳥園の「北池」と言われる水際を清掃するのがやっとでしたが、1時間程度の作業で、積み上げられたゴミ袋は40〜50袋になりました。
活動の締め括りとして、石井園長から、ゴミの中には京都や奈良のゴミが淀川や大和川から流れてきている実態があること、皆さんの清掃活動によって、展望塔から見えていた水際の白く光るゴミ(発泡スチロール)がきれいに見え無くなり、皆さんのご協力にお礼を申し上げます。
また、こうした地道な活動によって、渡り鳥の足に釣糸に絡まってしまうことや、クラゲを食べるウミガメが誤ってナイロン袋を食べてしまう事故防止にも繋がることも紹介され、この秋に開催される環境ネットワークの会議に、連合大阪の皆さんの活動を報告させて頂きたいことなど、活動に対する感謝の気持ちが表明され、参加者全員の拍手で確認してきました。
そして、気持ちのいい汗をかいた後は、美味しいお弁当を食べて、清掃活動の全日程を終了しました。
清掃活動に参加された皆さん、そして、私たちの活動にご協力頂きました野鳥園のスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。
(手袋の提供:NTT労組ドコモ関西総分会、写真撮影:連合大阪・久保執行委員)