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連合2015平和行動in沖縄報告
「何も変わっていなかった沖縄の素顔」

城見地区協議会  議長 大田光晴

 「沖縄は何も変わっていなかった・・・」6月23日(火)~25日(木)にかけて、連合大阪総勢17名の団員の一人として9年ぶりに平和行動in沖縄に参加した率直な感想であり、9年前に見聞きした沖縄の抱える問題は何も解決されず、時間だけがいたずらに経過してしまったようであった。

 6月23日(火)関西は梅雨真っ只中、ANA1731便にて空路沖縄へ。11:10那覇空港に到着し空港に降り立つと、真夏を思わせる熱気の出迎えに、あらためて遠い南の島へやってきたんだなと感じました。空港から沖縄平和集会の会場である那覇市民会館へバスで移動中、車窓から道路沿いに咲く赤いハイビスカスやヤシの木を見ていると、この島は南国の楽園というイメージがぴったりである。と思っていると、国道を走る自家用車に連なる何台もの米軍車両。なんとも異様な光景であるが、沖縄が抱える沖縄戦の爪痕、在日米軍の再編、基地移設の問題などを改めて実感することとなりました。

 6月23日は太平洋戦争で本土決戦の時間稼ぎのために「捨て石」とされた沖縄戦で日本軍の組織的な戦闘が終わった日であり、沖縄に住む人にとっては、深い祈りを捧げる日「沖縄慰霊の日」であり、沖縄県内の地方自治体では公休日とされ、役所・学校等は休日となっていました。15:00那覇市民会館へ全都道府県の連合が集結し、『「次世代への継承」をもって、戦後70年目からの新たな平和運動をスタートさせよう!』をメインスローガンにパネルディスカッション、平和式典が開催され、平和メッセージ、次の平和集会開催地広島へのピースリレー、平和アピールの採択で閉会となりました。集会終了後、ホテル日航那覇グランドキャッスルへ会場を移し平和交流会が行われ、沖縄電力の組合員さんによるエイサー(盆踊りのようなもの)鑑賞など琉球文化とふれあい1日目の行動が終了しました。

対馬丸記念館

対馬丸記念館

集合写真

集合写真

平和オキナワ集会

平和オキナワ集会

 6月24日(水)9:00~17:00に行われた「ピースフィールドワーク(戦跡コース・南部戦跡に学ぶ)」に参加しました。行程は「ひめゆりの塔」→「糸数アブチラガマ」→「魂魄之塔」→「平和記念公園」でありました。

 フィールドワークの中でも印象に残ったのが、糸数アブチラガマでした。ガマとは自然洞窟のことで、沖縄戦では当初ガマが軍の避難場所や住民たちの防空壕の役割を果たしていました。しかし戦況の悪化とともに野戦病院としても利用されることとなり、沖縄戦末期には大勢の負傷者が亡くなり、軍人と民間人との争いが起こり、米軍による火炎放射攻撃など悲劇の舞台となりました。今回訪問した糸数アブチラガマは全長270mにもおよぶ大きなガマでありました。当時のまま保存されている内部に入ると外の世界と遮断された雰囲気は独特のものがあり、持参した懐中電灯を消すと光ひとつない漆黒の闇となりました。今は何も聞こえず暗く静かな空間でしたが、沖縄戦当時は想像を絶する惨事が繰り広げられたかと思うと胸が苦しく、このようなことは二度と繰り返してはいけないと強く感じました。

ピースフィールドワークの後、県庁前県民広場で集会が行われ、集会終了後、会場から牧志公園まで国際通りでデモ行進を行いました。国際通りには、地元の人々、国内・海外旅行客、修学旅行生で賑わっており少し場違いな感じもしましたが、デモ行進する我々に年老いた女性が感極まって涙ながらに70年間の想いを届けようとする姿を目にした時には、やはりまだ沖縄戦は終わっていないのだなと実感しました。

ひめゆりの塔

ひめゆりの塔

平和祈念資料館

平和祈念資料館

デモ行進のようす

デモ行進のようす

 6月25日(木)佐喜間美術館、首里城を見学しすべての行動が終了、参加者みんなが、疲労の色を隠せず帰路に着きました。

首里城

首里城

 那覇空港へのバスの車窓から見える景色は初日とまったく同じでしたが、沖縄が一度失い、長年かけて取り戻したこの美しい景色が今また失われる危機に面している現実、今なお、多くの人々が苦しむこととなった戦争がもたらした惨劇、そして、再びこのような戦争の惨禍を許さないという誓いを多くの人に伝え、ひろげていくのが平和行動に参加した者の果たさなければならない務めだと感じました。

 最後に、私にとって平和行動は二度目でありましたが、改めて自分の目で見て、耳で聴き、身体で体験した沖縄の素顔は9年前と何も変わっていなかったことは非常に残念でありました。もし次回、沖縄を訪れる機会があれば、その時はきっと今回以上の笑顔が溢れた沖縄に出会えると信じたいと思います。このような貴重な平和行動に参加させていただいた、連合大阪、ファッション労連の皆さん、猛暑の中お世話をしていただいた沖縄の皆様に心から御礼申し上げます。

にふぇ~で~びたん!