明け方からの激しい雷雨。
道中は、大雨に遭うこともなく、7時間をかけて宇奈月温泉に到着。その日は、明日への鋭気を養いつつ、早めの就寝となりました。
翌朝、8時には、宇奈月温泉駅前の黒部川電気記念館を訪問。関電職員の方から黒部ダムまでの行程と諸注意を聞きながら館内での見学を終え、トロッコ電車に乗り込み、黒部峡谷にある黒部第四発電所に向けて出発しました。
途中、関電職員の方の説明を聞きながら、電車は一路、欅平らに向けて41ヶ所のトンネルを潜りながら、21本の橋を渡り無事到着しました。
ここから先は、関西電力の工事専用輸送ルートに乗り換え、地下にある黒部川第四発電所に向けて「竪坑エレベーター」を使って地下に降り、バッテリーカーに牽引されたトロッコ列車に乗車。途中で硫黄の臭いがし始め、仙人谷の高熱隋道を通過、当時は130℃~150℃ぐらいに達した坑内、今でも40℃ぐらいあるとのこと。
そして、漸く黒部川第四発電所に到着。
通称「くろよん」は、なぜ地下に造られたのでしょうか。それは、国立公園内にあるということもあって、環境に配慮して地下式を採用したそうです。
くろよんは、黒部ダムの水を使って4機のタービンを廻し、335,000kWの電力を発電する能力を備えており、当日は、関西を含め急激な気温低下もあり、発電は休止状態でした。また、現在では、遠隔操作により発電所は無人化されています。
くろよん発電所が発電を開始したのが1961年1月15日、黒部川で一番新しい発電所が宇奈月発電所(2000年5月17日発電開始)、現在では10箇所の発電所が稼動しているそうです。
今から8年前、2002年の大晦日、中島みゆきがNHK紅白歌合戦で「地上の星」を歌ったのが、ここくろよんの坑内。NHK番組「プロジェクトX」の主題歌を大晦日に歌うために、「青函トンネル、明石大橋、くろよん」の中から本人が選んだそうです。そして、中島みゆきが仮眠をとったソファーに座りながら昼食をとり、くろよんに別れを告げ、インクラインに乗っていよいよ黒部ダムへ。インクラインは、傾斜角度34度、斜距離815m、上下2機で運行されている。
黒部トンネルを上がると、そこは、7年の歳月と延べ1,000万人の人員をかけて1963年に完成した日本最大のアーチ式ドーム越流型と呼ばれる黒部ダム。
壮大な景色の中に、満々と水をたたえる黒部ダム。記念写真を撮って、関電トンネルをトロリーバスで扇沢に向けて出発。途中、世紀の難工事といわれた大破砕帯の跡を通過し、扇沢からは、大阪に向かってひたすら走り、午後9時過ぎ、無事に大阪市内に到着しました。
今回の行程は、一泊二日では厳しい日程でしたが、関西電力労組並びに関西電力(株)のご協力により、無事終了することが出来ました。大変ありがとうございました。そして、参加者の皆さん大変お疲れ様でした。
(2008年7月〜)